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2025年、建設業のDXはここまで進む! ― 最新事例まとめ

2025年は「i-Construction 2.0」の本格稼働と、無人化施工・遠隔施工・データ連携のオートメーション化が一気に加速した年でした。国土交通省は2024年4月に「施工」「データ連携」「施工管理」の3領域での自動化を柱に掲げ、生産性向上と省人化を政策面から後押ししています。

今年のキーワード5

  1. 無人化・自動運転施工の実装段階入り
     自動運転ダンプ/ブルドーザ/遠隔バックホウの協調運転など、複数機のオーケストレーションが現場実証から運用フェーズへ。([大成建設][2])
  2. 施工×データ基盤の連携強化
     現場から上がる施工データを統合し、進捗・安全・品質を横断で可視化。政策でも「データ連携のオートメーション化」が明示されました。([国土交通省][3])
  3. BIM/CIMとICT建機の一体運用
     測位・出来形・出来高の3D管理と機械制御を一気通貫で回す動きが標準化へ。日建連の「建設DX事例集」でも適用事例が横断検索できます。([日本建設業連合会][4])
  4. ロボティクスの横展開
     ダム・造成・原石山等から他工種へ。鹿島のA⁴CSELや大成のT-iROBO/T-iCraftなど、スイート化した技術群が拡張。([ロボスタ – ロボット・AI情報WEBマガジン][5])
  5. 市場側(建機・プラットフォーム)も活況
     コマツのスマートコンストラクション需要は2025年上期に前年同期比+44%を報告。現場DXの裾野拡大が続いています。([Global Construction Review][6])

最新事例ピックアップ(2024–2025)

  • 大成建設:自動運転3機種の協調制御をダム本体工事で実証(2025/9/24)
     自動運転クローラーダンプ・ブルドーザ・遠隔操作バックホウを「T-iCraft®」で協調運転し、完全無人化施工を実現。([大成建設][2])
  • 大成建設:自動運転ダンプ×施工管理基盤の連携(2025/3/19)
     「T-iROBO® Rigid Dump」と「T-iDigital® Field」を連携し、施工・データ連携・施工管理の3オートメーションを現場検証。([大成建設][7])
  • 鹿島建設:A⁴CSELの他工種展開(2024/12/24 発表)
     造成工事への本格適用へ。多台数の自動化建機を最適計画に基づき運用する生産システム。([ロボスタ – ロボット・AI情報WEBマガジン][5])
  • コマツ:スマートコンストラクション需要拡大(2025/6/26)
     ガイダンス・コントロール、リモート機能などを含むエコシステムの引き合い増。([Global Construction Review][6])
  • 業界横断:日建連の「建設DX事例集」
     調査・設計・施工・維持管理×BIM/CIM・ICT・AIなどで横断検索可能。現場適用の具体像を素早く把握できます。([日本建設業連合会][4])

なぜ進んだ? ― 制度と市場の“ダブル牽引”

  • 政策ドリブン:i-Construction 2.0で「施工」「データ連携」「施工管理」の自動化が明確化。直轄ICT工事の普及と生産性指標の改善が示され、官民で“使う前提”に。([国土交通省][8])
  • 市場ドリブン:人手不足・安全要求・コスト上昇を背景に、ICT建機・施工管理SaaS・ロボティクスの導入効果が定量化され、投資判断がしやすくなった。([Global Construction Review][6])

2025年に成果を出した企業の共通点(実務視点)

  • “点”導入ではなく、機械・基盤・運用の三位一体で回している(建機制御×データ連携×施工/安全管理)。([大成建設][7])
  • 標準プロセスを整備し、現場KPI(出来高/稼働率/段取り替え時間/安全KPI)に直結するダッシュボードを運用。([国土交通省][3])
  • BIM/CIM起点のサプライチェーン連携(測量→設計→施工→検査→維持管理)で“作りながらデータが貯まる”設計。([日本建設業連合会][4])

現場導入チェックリスト(すぐ使える版)

  • 目的は「省人化 or 安全 or 工期短縮」どれが主かを明文化
  • 3ヵ月で効果が見えるパイロット区間を設定(ダム/造成なら運搬・敷均し工程など)
  • 機械側(自動運転/遠隔)・基盤側(施工管理/データ連携)・人側(運用権限/教育)の責務分担表を作る
  • データモデル(出来形・出来高・稼働・土量・品質)を先に決め、ダッシュボードに紐づける
  • 現場→本社の報告フローを“紙からAPI”に置換(週次で改善会)

参考リソース

  • 国土交通省「i-Construction 2.0」プレスリリース/概要資料(2024/4/16 公表)([国土交通省][1])
  • 大成建設 DXサイト(最新リリース一覧)([大成建設 DXサイト][9])
  • 日建連「建設DX事例集(検索システム)」([日本建設業連合会][4])
  • 鹿島 A⁴CSEL 技術ページ(自動化施工の基盤技術)([鹿島建設][10])
  • コマツ Smart Construction 需要動向(2025/6/26 報道)([Global Construction Review][6])

まとめ

2025年は、“人×機械×データ基盤”を一体で設計・運用する企業が勝つ一年でした。来年に向けては、協調運転の適用工種拡大、施工データの横断活用、そして維持管理フェーズまでつながる運用がテーマです。まずはパイロットで“動く三位一体”を作り、KPIで投資対効果を示しましょう。([大成建設][2])

参考資料

1: https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001085.html?utm_source=chatgpt.com “「i-Construction 2.0」を策定しました~建設現場の …”
2: https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2025/250924_10623.html?utm_source=chatgpt.com “協調運転制御システム「T-iCraft®」を南摩ダム本体工事に導入”
3: https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/content/001765982.pdf?utm_source=chatgpt.com “i-Construction 2.0”
4: https://www.nikkenren.com/doboku/seisansei/DXcase/?utm_source=chatgpt.com “建設DX事例集 | 土木”
5: https://robotstart.info/2024/12/24/kajima-a4csels-land-reclamation.html?utm_source=chatgpt.com “鹿島、自動化施工システムを造成工事へ本格適用 振動ローラ …”
6: https://www.globalconstructionreview.com/komatsu-smart-construction-reports-44-surge-in-demand/?utm_source=chatgpt.com “Komatsu Smart Construction reports 44% surge in demand”
7: https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2025/250319_10375.html?utm_source=chatgpt.com “「T-iROBO® Rigid Dump」と「T-iDigital® Field」の連携による …”
8: https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/content/001738240.pdf?utm_source=chatgpt.com “i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~”
9: https://www.taisei-dx.jp/news/?utm_source=chatgpt.com “お知らせ|大成建設 DXサイト”
10: https://www.kajima.co.jp/english/tech/c_a4csel/index.html?utm_source=chatgpt.com “A4CSEL | Technology & Services | KAJIMA CORPORATION”

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ベイカレントにてIT・業務改善・戦略領域のプロジェクトに従事。その後、株式会社ウフルにて新規事業開発を担当し、Wovn Technologiesでは顧客価値の最大化に取り組む。AIスタートアップの共同創業者としてCOOを務めた後、デジタルと人間の最適な融合がより良い社会につながるとの想いから、株式会社YOZBOSHIを設立。2022年2月より現職。

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