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不動産開発の情報集約は、AIが一番効く領域だった。

不動産開発って、派手に見えるわりに、裏側はめちゃくちゃ地味です。
何をしているかというと、だいたい「情報を集めて、揃えて、確認して、判断する」を延々やっています。

そしてこの“情報集約”こそ、AIが一番効く領域だと感じています。
なぜなら、不動産開発の現場は 「書類が多い」「形式がバラバラ」「判断が属人」 の三重苦だからです。

1. 不動産開発は「情報の海」から始まる

開発案件って、最初から最後まで「資料が途切れない」。

  • 登記簿・公図・地積測量図
  • 重要事項の調査資料
  • 用途地域、建ぺい・容積、地区計画
  • 道路種別(42条1項…とか)
  • インフラ(上下水・ガス・電気)
  • 近隣説明、自治体協議、各種届出
  • 売買契約、覚書、議事録、メール、図面…

これらが、PDF、画像、紙、Excel、メール本文、FAX みたいな形で入り乱れる。
しかも、案件が動くほど資料が増えて、更新されて、差し替わっていく。

結果として何が起きるか。

「必要な情報はある。でも、どこにあるか分からない」

これが日常になります。


2. 形式統一では解けない。「書き方」が揃わないから

ここでよくある発想が「フォーマットを統一しよう」です。

もちろん重要なんだけど、現実はこう。

  • 相手(仲介、売主、士業、役所)が違う
  • 物件タイプが違う(戸建て、マンション、商業、物流…)
  • 手続きが案件ごとに違う
  • 書類の“癖”がバラバラ

つまり、不動産開発は 「統一できない前提」 の上に成り立ってる。

揃わないのは、様式じゃなくて 表現
同じ意味なのに、言い回しが違う。略称が違う。書かれ方が違う。
そして、それを読み解くのは結局“人”です。


3. AIが効くのは「作業」ではなく「集約」だった

AIというと、いきなり「判断を全部やらせる」みたいに考えがちですが、
不動産開発で一番効くのはそこじゃない。

効くのはまず、ここ。

  • 書類を“読み取れる状態”にする
  • 重要情報を“抜き出して”並べる
  • 物件ごとの論点を“整理して”見える化する
  • 差分や矛盾を“気づける形”にする

つまり 判断の前段

人が一番時間を吸われているのは、
「判断」そのものより 判断できる状態にするまで なんですよね。


4. 現場は「判断」ではなく「確認」で死んでいる

不動産開発の担当者が疲弊するポイントって、ここです。

  • この登記の所有者、結局だれ?
  • 共有者がいる?持分割合は?
  • 抵当権は残ってる?抹消条件は?
  • 道路は2項?セットバック要?
  • インフラ引き込みは可能?費用は?
  • 過去資料と今回資料、どこが変わった?

これって“判断”というより、ほぼ 確認作業

そして確認作業の特徴は、

  • 回数が多い
  • 似たようなことを毎回やる
  • ミスが許されない
  • 人がやると集中力が削れる

ここにAIを入れると、効き方がえげつない。


5. AIがやるべきは「一次整理」+「根拠の紐付け」

不動産開発の情報集約で、AIの理想形はこうだと思っています。

✅ ① 一次整理(取り出す・並べる)

  • 所有者名/住所/持分
  • 地番、地目、地積
  • 抵当権など権利関係
  • 都市計画・用途地域
  • 道路種別、接道条件
  • 各種制限、協議事項

✅ ② 根拠リンク(どの資料のどこに書いてあるか)

これが超重要。
AIが出した結果が正しいかどうかは、最後は人が見る。

でも人が安心できるのは、

「この結論は、どの資料のどの記載から来たのか」

が一瞬で辿れるときです。

AIは“答え”より、“根拠の道案内”ができる方が現場で使われます。


6. 最終的に残るのは「人の判断」だけでいい

AIが情報を集約して、論点を整理して、差分や矛盾を浮かせてくれたら、
人がやることはシンプルになります。

  • その案件としてGOかNGか
  • どういう条件で進めるか
  • リスクをどう設計するか
  • いつ誰に何を確認するか

ここは最後まで人間の領域でいい。というか、ここが価値。

AIに期待すべきなのは、
“人を置き換えること”ではなく、人の判断を前に進めること なんだと思います。


まとめ:不動産開発のAI活用は「派手さ」より「地味な勝ち」が強い

不動産開発って、AIでいきなり魔法みたいに全部自動化!ではない。
でも、情報集約にAIを入れた瞬間、

  • 探す時間が消える
  • 整理の手戻りが減る
  • 引き継ぎが現実的になる
  • “見落とし”が減る
  • 判断に集中できる

こういう 地味だけど強烈な改善 が起きます。

だからこそ思う。

不動産開発の情報集約は、AIが一番効く領域だった。

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ベイカレントにてIT・業務改善・戦略領域のプロジェクトに従事。その後、株式会社ウフルにて新規事業開発を担当し、Wovn Technologiesでは顧客価値の最大化に取り組む。AIスタートアップの共同創業者としてCOOを務めた後、デジタルと人間の最適な融合がより良い社会につながるとの想いから、株式会社YOZBOSHIを設立。2022年2月より現職。