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電子帳簿保存法対応が、積算Excelを重くしているってホント!?

「最近、積算Excelがやたら重いんだよね」
「開くまで時間かかるし、保存で固まるし、誰かが触るとどこか壊れる」
「“あのファイル”だけ、なぜか別格で重い」

…これ、気のせいじゃないです。

そして、現場でよく聞く“犯人候補”がこれ。

電子帳簿保存法対応。

もちろん、法律対応そのものが悪いわけではありません。
むしろ「ちゃんと証跡を残す」「後から追える」って、正しい。

でも現実はこうなりがちです。

「法対応のために、積算Excelが“何でも屋”になっていく」

今日はこの話を、現場の“あるある”の熱量で書きます。
(たぶん、あなたの会社のどこかで起きてます)

1. そもそも、なぜ積算Excelは“重くなりやすい”のか

積算Excelって、もともと設計思想が「データベース」じゃないんです。

  • 単価表
  • 数量
  • 根拠
  • 比較(相見積)
  • 原価管理
  • 予算管理
  • 下請見積の貼り付け
  • 書式調整
  • 印刷(これがまた厳しい)

これだけでも十分“盛りだくさん”。

そこに、電子帳簿保存法対応が入ると何が起きるか。

「証跡」「関連資料」「検索性」「改ざん防止」を、Excelの中で何とかし始める。

結果、Excelが“重くなる”というより、Excelに全部背負わせてしまうんですよね。


2. 「法対応」がExcelを重くする“3つの典型パターン”

パターン①:証跡を残すための「バージョン地獄」

電子帳簿保存法の文脈でよく出てくるのが、

  • いつ
  • 誰が
  • 何を
  • どう変えたか

を追える状態にすること。

でも、Excelでこれをやろうとすると、だいたいこうなります。

  • 最終.xlsx
  • 最終_修正.xlsx
  • 最終_修正2.xlsx
  • 最終_修正2_田中.xlsx
  • 最終_修正2_田中_確定.xlsx

そして最後に生まれる、伝説のやつ。

最終_修正2_田中_確定_最新版_これで最後.xlsx

これ、笑い話に見えて、実は現場の悲鳴です。

バージョンが増えるほど、同じ内容があちこちに複製される。
複製されるほど、管理が崩れる。
崩れるほど、「さらにファイルを分けて守る」ようになる。

このループが、Excelを太らせます。


パターン②:関連資料を“Excelに埋め込む”問題

「見積の根拠資料」「仕様書」「メール」「PDF」
…本当は、外に置いてリンクで参照したい。

でも現場はこう言います。

  • 「リンク切れたら終わる」
  • 「フォルダ構成が人によって違う」
  • 「共有ドライブ移動されたら死ぬ」
  • 「相手に渡す時、リンクだけだと伝わらない」

結果、起きること。

PDFを貼る
画像を貼る
メール本文を貼る
証憑をスクショで貼る

そして、Excelが静かに重くなっていきます。

“法対応のために証拠を集める”ほど、Excelが肥大化する。
ここ、皮肉だけどめちゃくちゃリアルです。


パターン③:「検索できる状態」にするための“無理矢理メタ情報”

電子帳簿保存法対応って、突き詰めるとこういう話です。

後から「この取引はどれ?」を検索できるようにしよう

でも、Excelは“検索前提の構造”になっていないことが多い。

だから現場は頑張ってこうします。

  • シート名に日付を入れる
  • 取引先名を統一する(でも揺れる)
  • 見積番号を入れる(でも相手が違うルール)
  • 案件名を入れる(でも現場略称が混ざる)

そして、補助列・補助シート・変換表が増える。

「検索できるようにする努力」が、
逆にExcelの複雑さを増幅させてしまう。


3. いちばんキツいのは「誰も悪くない」こと

これ、すごく厄介なんですが…

誰もサボってないんですよ。

  • 法務・経理:対応しないとリスクがある
  • 現場:止められないからExcelで回す
  • 管理側:統一したいからルールを増やす

みんな正しい。
でも、正しさが積み重なるほど、Excelが壊れていく。

だから、現場の感情としてはこうなる。

「また増えた…また手間が増えた…」
「こっちは今、工期と人手が足りてないんだよ…」

電子帳簿保存法対応が“業務改善”として入ってくると、
現場は「改善」じゃなくて「負荷」として受け取ってしまう。

ここに共感が集まります。


4. 解決策は「Excelを軽くすること」じゃない

たぶん、ここで多くの人が思います。

「じゃあExcelを軽量化しよう」
「貼り付けをやめよう」
「マクロを整理しよう」

…もちろん、それも大事です。

でも本質は別です。

“証跡・根拠・検索”を、Excelの外に逃がす設計にしないと、また太る

Excelは、積算するための道具。
電子帳簿保存法対応は、保存・検索・証跡の仕組み。

役割が違う。

ここを分けない限り、
Excelはこれからも“法対応の荷物”を背負わされ続けます。


5. それでも現場がExcelを手放せない理由(ここがリアル)

最後に、現場がExcelを手放せない理由を言語化しておきます。

  • 自分で直せる(=最後の砦)
  • 取引先もExcelで来る
  • 細かい“現場判断”が詰まってる
  • ツールが増えると逆に混乱する
  • 「結局Excelが正」になっている

だから、現場はこう言います。

「Excelをやめたいんじゃない。Excelで回り続ける状態がしんどい」

この“しんどさ”の正体が、まさに今起きている
「法対応がExcelに乗ってくる」現象です。


おわりに:あなたの会社の“重いExcel”は、誰のせいでもない

「電子帳簿保存法対応が、積算Excelを重くしているってホント!?」
答えは、たぶんこうです。

ホントです。
でも、悪者はいません。

ただ、役割分担の設計が追いついていない。

現場は今も、
法対応も、証跡も、検索も、比較も、積算も、全部を
“あのExcel”で抱えている。

それがしんどい。

もし、この記事が刺さったなら、あなたの会社にもきっとあります。
「開くのが怖い積算Excel」が。

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ベイカレントにてIT・業務改善・戦略領域のプロジェクトに従事。その後、株式会社ウフルにて新規事業開発を担当し、Wovn Technologiesでは顧客価値の最大化に取り組む。AIスタートアップの共同創業者としてCOOを務めた後、デジタルと人間の最適な融合がより良い社会につながるとの想いから、株式会社YOZBOSHIを設立。2022年2月より現職。