いまロード中

生成AI時代に考えたい、Excelとの付き合い方― 手作業でここまでできる。でも“ラストワンマイル”が残る。

生成AIが普及して、「Excel仕事もAIで全部いけるのでは?」という期待が強くなりました。
結論、かなりのところまで行けます。
ただし同時に、現場でやればやるほど気づきます。

“最後の1km”が、いちばん重い。

Excelと生成AIで「手作業でも回せる最適解」はあります。
でも、スケールさせようとした瞬間に残る“運用の壁”があります。
今日はそこを、現実ベースで整理します。

1. 手作業でも「ここまで」はできる(しかも意外と強い)

まず、Excelを捨てる必要はないです。
むしろ、生成AI時代はExcelがさらに延命します。理由は単純で、Excelが「現場の器」だから。

そして生成AIを足すと、手作業でも次の改善ができます。

できること①:表記ゆれの統一(地味だけど最強)

  • 「数量 / 数 / Qty」みたいな列名ゆれを揃える
  • 単位(m2 / ㎡)を揃える
  • 日付の書式、会社名表記、品名の表現を揃える

これ、AIが得意です。
そして、揃うだけで下流の作業が一気に楽になります。

できること②:Excel→文章の変換(報告・説明コストを削る)

  • Excelの内容を、報告文・メール・議事録の形にする
  • 差分を要約して、関係者に説明できる状態にする
  • “結局何が重要?”を先に言語化する

「作業」より「説明」で溶けている時間が減ります。

できること③:チェック観点のテンプレ化(属人の言語化)

  • ベテランの見てるポイントを、チェックリスト化
  • “この場合はこう”をルールとして残す
  • AIに一次判定させて、人は最終判断に寄せる

ここまでやると、だいぶ戦えます。
頑張れば、手作業でも成果は出ます。


2. でも残る。“ラストワンマイル”というやつ

問題は、上の仕組みを「一回やって終わり」にしないことです。
現場はこう言います。

  • 「今回は例外」
  • 「この書類はフォーマットが違う」
  • 「今月から項目が増えた」
  • 「急ぎだから手で直す」
  • 「担当が変わったから運用が崩れた」

つまり、最後に残るのは “判断”と“運用” です。

ラストワンマイルの正体

  • 例外が必ず出る(むしろ例外が本番)
  • AIの出力を、誰がどう承認するかが曖昧
  • ルールが更新され続ける(固定できない)
  • 「人がやったほうが早い」が積み上がる
  • 結果、属人化が“再発”する

ここが、Excel×生成AI運用の一番しんどいところです。
“仕組み”は作れても、“維持”がキツい。


3. ここで分岐する:頑張り続けるか、仕組みにするか

ここまでを「社内努力」で回すことは可能です。
ただ、一定規模を超えるとこうなります。

  • 運用担当が疲弊していく
  • 例外対応が増えて、改善が追いつかない
  • ルールが人の頭に戻っていく
  • 精度が落ちても原因が追えない
  • 「結局、前と同じじゃん」が起きる

この状態は、生成AIの性能の問題というより、
“判断を継続的に再現する仕組み”がないことが原因です。


4. Connected Baseが狙っているのは、まさにその“最後の1km”

Excelと生成AIで「ここまで」行ける。
でも最後に残るのは、

  • 属人判断(判断の根拠)
  • 承認フロー(誰がOK出すか)
  • 例外処理(現場の現実)
  • 継続改善(運用しながら精度を上げる)

Connected Baseは、この“ラストワンマイル”を 仕組みとして持つことを狙っています。

  • 人の判断をログとして残し、再現できる
  • 例外を「例外で終わらせず」、ルールとして育てられる
  • Excelの外側に、判断と運用の骨格を作れる
  • 結果として「頑張り続ける運用」から抜けられる

つまり、言い方を変えるとこうです。

Excel×生成AIで“個人技の自動化”はできる。
Connected Baseは“組織の自動化”を作る。


5. まとめ:Excelは残る。だからこそ“判断”の扱い方が勝負

生成AI時代のExcel運用で重要なのは、
Excelを捨てることではありません。

Excelの中に埋もれている“判断”を、外に出して、再利用できる形にすること。

手作業で頑張れば、かなりの改善はできます。
でも、最後に残る「維持・例外・承認・継承」を仕組みにできるかが分岐点です。

もし今、

  • Excel運用が属人化している
  • 例外対応で疲弊している
  • AIを入れても結局手直しが多い
  • 判断基準が人によってブレる

このどれかがあるなら、ラストワンマイルの話をしにいけます。

Connected Baseは、そのための道具です。

Connected Baseのご紹介

「AI-OCR」「RPA」から
“LLM+人の判断”の再現へと移りつつあります。

Connected Base は、日々の見積書・請求書・報告書など、
人の判断を必要とする“あいまいな領域”を自動で処理し、
現場ごとのルールや判断のクセを学習していくAIプラットフォームです。

これまで人が時間をかけて行ってきた仕分けや確認を、
AIとルール設定だけで再現・蓄積・自動化。
単なる効率化ではなく、「判断の継承」まで含めたDXを実現します。

現場の知恵を未来につなぐ──
その第一歩を、Connected Baseとともに。

👉 https://connected-base.jp/

ベイカレントにてIT・業務改善・戦略領域のプロジェクトに従事。その後、株式会社ウフルにて新規事業開発を担当し、Wovn Technologiesでは顧客価値の最大化に取り組む。AIスタートアップの共同創業者としてCOOを務めた後、デジタルと人間の最適な融合がより良い社会につながるとの想いから、株式会社YOZBOSHIを設立。2022年2月より現職。